稲刈りのその後。籾摺りを終えて、炊きたての新米を食べてみた

稲刈りのその後。籾摺りを終えて、炊きたての新米を食べてみた

籾摺りをして、今年はじめての新米を食べた

前回の記事で、今年の稲刈りがはじまったことを書きました。
コンバインで刈り取った稲は、籾(もみ)の状態でトラックに積まれ、乾燥機のある作業場へ運ばれていきます。

ただ、刈ったらすぐにお米として食べられるわけではありません。
乾燥させて、籾摺りをして、精米をして。
茶碗によそうまでには、まだいくつかの工程があります。

今回は、刈ったあとのコシヒカリが新米になるまでの記録です。

まずは乾燥機で、ゆっくり水分を抜く

刈ったばかりの籾は、まだ水分をたくさん含んでいます。
このままだと保存がきかないので、まずは乾燥機に入れて水分を抜いていきます。

乾燥機にかける時間は水分量によりますが、だいたい10時間くらい。
気をつけているのは、水分量の調整です。
とはいえ、実際のところはほとんど機械任せ。
乾燥機が数字を見ながら、ちょうどいいところまで持っていってくれます。

昔の人は、これを天日干しや、はざ掛けでやっていたんですよね。
機械のありがたさを感じつつ、ちょっとだけ、その時間のかけ方にも思いを馳せたりします。

家族と2人で、籾摺り作業

乾燥が終わったら、いよいよ籾摺りです。
籾摺りは、籾のまわりの殻(籾殻)を外して、玄米にする作業のこと。

場所は、乾燥機が置いてある作業場。
今年も家族と私の2人で作業しました。

籾摺り機を動かすと、とにかく音が大きい。
隣にいても、声を張らないと会話が通じないくらいです。
籾殻はどんどん出てくるし、籾のほこりも舞うので、作業が終わるころには服も髪も粉っぽくなっています。

籾摺り機から色彩選別機を通って、玄米がさーっと流れ落ちてくる。
この瞬間は、何度見ても少しうれしいものがあります。
さっきまで殻をかぶっていた籾が、薄い茶色の玄米になって袋にたまっていく。
田んぼで見ていた稲が、ようやく「お米」の顔になってくるところです。

30kgの袋が、およそ110袋

今回は納品用の玄米を30kgずつ袋に詰めていく作業。
詰めたのは、だいたい110袋くらい。
計算すると、3.3トンほどになります。

30kgの袋を持ち上げるのも、もちろん大変です。
でも、それ以上に効いてくるのが腰。
袋の口を押さえて、詰めて、閉じて、運んで。
同じ姿勢のまま作業を繰り返すので、じわじわと腰にくるんです。

案の定、翌日はしっかり筋肉痛。
腰も疲れきっていて、立ち上がるのも、振り向くのも、動きがぎこちない。
家の中で、昔のロボットのような動きになっていました。

デスクワークの疲れとは、また種類の違う疲れです。
体を使った分だけ、目の前に袋が積み上がっていく。
しんどいけれど、この「働いた感じ」がわかりやすいのは、少し気持ちがいいところでもあります。

ちなみに、今回籾摺りできたのはコシヒカリの一部だけ。
最初の稲刈りのあと天気がぐずついていて、コシヒカリの残りも、にじのきらめきも、まだ田んぼで待ってもらっている状態です。
天気と相談しながら、少しずつ進めていくしかありません。

コイン精米機で白米に

玄米のままでも食べられないことはないですが、やっぱり最初は白米で食べたい。
ということで、近くのコイン精米機で精米してきました。

コイン精米機は、農家にとってもわりと身近な存在です。
玄米を入れてお金を入れれば、数分で白米になって出てくる。
精米したての白米は、ほんのりあたたかくて、ぬかの香りがします。

炊きたての新米を、塩だけで

炊飯器は、いつも使っているものです。
特別な土鍋や、こだわりの炊き方をしたわけではありません。
普段どおりにお米を研いで、普段どおりにスイッチを押しました。

炊き上がりのふたを開けると、ふわっと香りが立ちます。
粒のひとつひとつに、つやがある。

もちろん、おかずと一緒に食べてもおいしいです。
でも、新米は塩だけでも十分でした。
ほんの少し塩をふって、ひと口。
それだけで、ちゃんとごちそうになります。

今年は去年ほど暑さが厳しくなかったからか、クズ米が少なく、品質もいい気がしています。
暑さ対策でにじのきらめきを育てはじめたくらい、ここ数年の夏はお米にとって厳しかったので、今年の出来には少しほっとしました。

誰よりも早く新米を食べられるということ

春に苗を植えて、夏の暑さや大雨にやきもきして、秋に刈って、乾かして、摺って、腰を痛めて。
そうやってたどり着いた一杯なので、おいしく感じるのは当然なのかもしれません。

それでも、スーパーに新米が並ぶより少し早く、自分の田んぼのお米を食べられる。
これは、お米農家の小さな特権なのかな、と思います。

大きく稼げる仕事ではないし、体もきつい。
でも、自分の手で育てたものを、自分の口で確かめられる。
その手触りがあるから、なんとか続けていられるような気がします。

今年のお米は、販売の準備も少しずつ進めています。
詳しいことは、また整ったらお知らせしますね。

残りのコシヒカリと、にじのきらめきの稲刈りも、天気を見ながらゆっくり進めていきます。

それではまた次回!

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